「不法侵入」は証拠がないと警察は動かない?現行犯以外の対処法を解説

「自宅の庭に知らない人が入っていた形跡がある」「隣人が勝手に敷地に入ってくる」など、いわゆる「不法侵入」の被害に遭っても、警察に相談したら動いてもらえず困っていませんか?

不法侵入は刑法第130条で定められた「住居侵入罪」にあたる犯罪行為です。

参考:e-Gov法令検索「刑法(第130条)」

しかし、現実には証拠不足や事件性の低さから、警察が積極的に動かないケースが多いのが実情です。

この記事では、不法侵入で警察が動かない理由と、現行犯以外での効果的な対処法を詳しく解説します。

「どうせ警察は動かないから……」と泣き寝入りする必要はありません。

正しい対策を知って、自分と家族の安全を守りましょう。

目次

不法侵入なのに警察が動かないケースが発生するのはなぜ?

不法侵入が明確な犯罪行為であるにも関わらず、警察が動かないケースが発生するのには理由があります。

警察の対応が消極的な3つの原因を見ていきましょう。

①証拠がない

警察が動かない最大の理由は、不法侵入を証明する客観的な証拠がないことです。

「誰かが庭に入った気配がする」「物の位置が変わっている」といった「状況証拠」だけでは、警察は事件として扱うことができません。

刑事事件として立件するためには、侵入者の特定、侵入の事実、故意性などを証明する必要があります。

とくに、以下のようなケースは「証拠不足」として扱われがちです。

  • 足跡や指紋などの物理的痕跡がない
  • 防犯カメラなどの映像記録がない
  • 目撃者がいない
  • 被害の具体的な内容が不明確

警察は限られた人員で多くの事件を処理しています。

そのため、証拠が不十分な案件は優先度を下げざるを得ないのが現実です。

②被害が軽く、当事者間で解決できる可能性が高い

不法侵入の中でも「隣人トラブル」や「軽微な境界線の問題」は、当事者同士での解決を促される場合があります。

たとえば「隣人が境界線を越えて敷地に入ってきた」程度の具体的な被害がない不法侵入の場合、警察に「当事者同士で話し合って解決してください」と対応されることが多いです。

というのも、警察には境界線のような「個人の権利関係」には積極的に介入しない「民事不介入」の原則があります。

そのため盗難や器物損害など実際の被害が発生していない場合は、緊急性が低いと判断され後回しにされやすいわけです。

③通報した警察署の管轄外である

意外に見落としがちなのが、管轄の問題です。

事件が発生した場所を管轄する警察署でなければ、軽微な不法侵入事件にはそもそも対応してもらえない可能性があります。

このトラブルは「110番」「9110番」ではなく、各警察署の電話番号に直接電話をかけた場合に起こります。

特段の理由がなければ、自動的に管轄の警察署につながる「110番」「9110番」を使いましょう。

不法侵入時、警察の対応は?動くケース・動かないケースの具体例

警察の対応は、不法侵入の状況や証拠の有無によって大きく変わります。

どのような場合に警察が積極的に動くのか、逆にどのような場合に動かないのかを具体例で見ていきましょう。

警察が動くケースの例|傷害・窃盗など「刑事事件」であるとき・防犯カメラなど明確な証拠があるとき

警察が積極的に動くのは、以下のような「明確な刑事事件性」があるケースです。

  • 侵入者が物を盗んでいった(窃盗罪)
  • 建物や車に傷をつけられた(器物損壊罪)
  • 住人に暴力を振るわれた(傷害罪)
  • 女性に対するわいせつ行為があった(強制わいせつ罪)

これらのケースは不法侵入だけでなく他の犯罪も同時に成立するため、警察は迅速に対応します。

また、以下のように「明確な証拠がある」ケースでも、警察が積極的に動いてくれる可能性が高いです。

  • 防犯カメラに侵入の瞬間が映っている
  • 侵入者の指紋や足跡がはっきりと残っている
  • 複数の目撃者がいる

客観的な証拠があれば警察は事件として扱い、捜査を開始します。

とくに防犯カメラの映像は決定的な証拠となりやすいです。
カメラを設置していることを伝えるだけで、警察の対応が変わることもあります。

ほか、侵入している現場を押さえたケースでは「現行犯逮捕」が可能です。

この場合は不法侵入されているのが明らかなため、警察は必ず対応します。

警察が動かないケースの例|防犯カメラなどの証拠がなく、事件性も低いとき

一方で、以下のような「証拠が不十分」なケースでは、警察が消極的な対応を取りがちです。

  • 「なんとなく誰かが入った気がする」という曖昧な証言しかない
  • 物的証拠や目撃者がない
  • 被害の具体的な内容が不明確
  • 侵入者の特定ができない

このようなケースでは、警察は「事件性が低い」と判断し積極的な捜査をしません

また「民事不介入」の原則により、以下のような「民事的な要素が強い」ケースも対応してくれないことが多いです。

  • 隣人と境界線について揉めた
  • 子どもが遊んでいて敷地に入ってしまった
  • 酔っ払いが間違えて敷地に入った

刑事事件性がなければ、ほとんどのケースで「当事者間での解決」を促されてしまうでしょう。

不法侵入で警察が動かない…それでも訴えるには?

警察が動かない場合でも、諦める必要はありません。

これから紹介する2つの方法を使えば、法的に訴えられる可能性があります。

自分で証拠を集めて弁護士に相談する

警察が動かない理由の多くは証拠不足です。

そのため、まずは自分で以下のような証拠を収集することから始めましょう。

  • 防犯カメラの映像
  • 侵入者の写真
  • 足跡や指紋の写真
  • 被害状況の詳細な記録
  • 日時と状況の詳細なメモ
  • 目撃者の証言

証拠が揃ったら、弁護士に相談してみてください。

民事訴訟での損害賠償請求や、刑事告発の可能性について専門的なアドバイスを受けられます。

弁護士による「内容証明郵便」が侵入者に届くだけでも、今後の不法侵入行為を止める効果が期待できるでしょう。

ただし、個人での証拠収集には限界があります

「自分で証拠を集められない……」と感じたら、後述の探偵に相談しましょう。

探偵に相談する

侵入者にバレずに確実な証拠収集をしたいなら、専門的な調査ノウハウを持つ「探偵」への依頼が効果的です。

探偵は「探偵業法」に基づく合法な範囲で、以下のような調査・対応をします。

  • 高性能な機材を使った証拠収集
  • 相手に気づかれない秘密調査
  • 侵入者の身元特定
  • 行動パターンの分析
  • 法的に有効な調査報告書の作成

探偵は不法侵入の調査に特化した技術とノウハウを持っており、個人では困難な証拠収集が可能。

相手に調査がバレるリスクもほとんどなく、安心して証拠を集められます

そして、探偵が集めた証拠は、そのまま警察や弁護士への相談に使用可能です。

当社「日本総合調査事務所」では、24時間いつでも匿名・無料相談を受け付けております。

LINEやメールでも相談可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

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※探偵業法にもとづき、違法性のある調査や犯罪への加担はお断りさせていただきますので、あらかじめご了承ください。

不法侵入を放置することのリスク

不法侵入を「たいしたことない」と放置していると、より深刻な犯罪に発展する可能性があります。

以下のリスクを理解して早期に対策し、重大な被害を未然に防ぎましょう。

重大な犯罪の下見をされている可能性がある

不法侵入は、より重大な犯罪の前段階として行われることがあります。

侵入者はあなたの以下のような情報を収集しているかもしれません。

  • 生活パターン
  • カメラなど防犯対策の状況
  • 貴重品の保管場所
  • 侵入しやすい経路
  • 近隣の見通しや人通りの多さ

このような下見を経て、空き巣や強盗・性犯罪などの重大な犯罪が計画される場合があります。

軽微な侵入だからといって油断せず、なるべく早期に対策してください。

常習的なストーカー行為の可能性がある

不法侵入が繰り返される場合は、ストーカー行為の一環である可能性があります。

ストーカーは段階的にエスカレートする傾向があり、最初は敷地への侵入から始まって、最終的には住居内への侵入や直接的な危害に発展するケースが多いです。

とくに以下のような行為が見られる場合は要注意でしょう。

  • 同じ人物が繰り返し侵入してきている
  • 物品の移動や盗難が起きている
  • 手紙や物品の置き去りがみられる

2025年4月には、神奈川県で「敷地に侵入し、自転車かごにわいせつなメモを残した」不法侵入の容疑者が逮捕に至っています。

参考:神奈川新聞カナロコ「伊勢原 敷地に侵入し、自転車かごにわいせつなメモ残す 容疑で44歳逮捕」

ストーカー規制法により、このような行為をはたらく侵入者は法的に処罰できるかもしれません。

早期の証拠収集と対策を検討しましょう。

とくに女性の場合、わいせつ行為のチャンスをうかがっている可能性がある

女性の一人暮らしや、女性が多い世帯への不法侵入は、性犯罪の前兆である可能性があります。

侵入者は以下のような目的で侵入しているかもしれません。

  • 家にいない時間の把握
  • 下着などの私物の盗難
  • 隠しカメラの設置

このような犯罪の予兆と考えられる不法侵入は、被害が深刻化する前に防ぐことが重要です。

少しでも不安を感じたら、迷わず専門機関に相談してください。

警察が動かなくても!自分でできる不法侵入・防犯対策5選

もし警察が動かなかった場合は、まず自分でできる不法侵入の対策を試してみましょう。

手軽な方法として以下の5つをおすすめします。

それぞれチェックしてみて、できることから始めてみてください。

防犯カメラを設置する

少し費用はかかりますが、防犯カメラの設置は不法侵入対策として効果的な対策です。

以下のメリットがあります。

  • 不法侵入の決定的な証拠が得られる
  • 侵入者の特定が可能になる
  • 侵入を未然に防ぐ抑制効果がある
  • 警察や法的機関への相談がしやすくなる

防犯カメラは玄関や勝手口、庭の入り口など、侵入されやすい場所に設置してください。

夜間でも撮影可能な赤外線対応のカメラがおすすめです。

また「防犯カメラ作動中」のステッカーを貼ることで、侵入抑制効果を高められます。

ドアや窓を強化する

以下のような方法でドアや窓を強くし、物理的に侵入を難しくすることで不法侵入のリスクを下げられます。

  • 補助錠の設置
  • 防犯フィルムの貼り付け
  • 面格子の取り付け
  • ドアチェーンの設置
  • ピッキング対策の鍵への交換

とくに勝手口や1階の窓は侵入されやすいため、重点的に強化するのがおすすめです。

センサーライトを設置する

人感センサー付きのライトは侵入者を驚かせ、不法侵入をやめさせる効果が期待できます。

以下のような場所に置けるだけ置いておきましょう。

  • 玄関周り
  • 庭の入り口
  • 勝手口付近
  • 駐車場

明るく照らされることで侵入者は発見されるリスクを感じ、侵入を諦める可能性が高くなります。

通り抜け禁止などの看板を立てる

「私有地につき立入禁止」「防犯カメラ作動中」などの看板を設置することで、心理的に不法侵入をしづらくさせる効果があります。

看板があると、侵入者は自分の行為が「故意の不法侵入」だとはっきりと認識することになるためです。

法的な責任を問われるリスクを感じて、不法侵入をやめる可能性があります。

不動産会社・大家に相談する

賃貸住まいの場合は不動産会社や大家に相談することで、建物の防犯対策を強化してもらえる場合があります。

  • 共用部分への防犯カメラ設置
  • オートロックシステムの導入
  • 防犯灯の増設 など

不法侵入が悪質な場合には、警察への相談などに同行してくれるかもしれません。

積極的に対応してくれるかどうかは不動産会社や大家次第ではあるものの、一度相談してみましょう。

【無料相談】不法侵入で警察が動かないなら「日本総合調査事務所」へ

「不法侵入の被害に遭っているのに警察が動いてくれない」「証拠を集めたいが方法がわからない」とお悩みの方は専門家にご相談ください。

当社「日本総合調査事務所」では、不法侵入の調査と証拠収集に強い探偵サービスを提供しています。

調査は完全秘密で実施し、侵入者に調査していることが発覚する心配は一切ありません

不法侵入は夜間や早朝に発生することが多いため、24時間体制で対応いたします。

ただ調査をするだけでは終わりません。
警察への同行や弁護士の紹介など、問題が解決されるまでのアフターサポートも可能です。

相談料は完全無料です。

「こんなケースでも調査できるの?」という疑問にもお答えします。

お電話、メール、LINEでの相談が可能で、匿名でのご相談も可能です。

これまでに数多くの不法侵入案件を解決してきた実績がありますので、泣き寝入りする必要はありません。

まずは無料相談で、現在の状況をお聞かせください。

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※探偵業法にもとづき、違法性のある調査や犯罪への加担はお断りさせていただきますので、あらかじめご了承ください。

不法侵入で警察が動かないことに関するよくある質問

不法侵入で警察が動かないことに関するよくある質問と、その回答をまとめています。

悪意なしの隣人の不法侵入は罪に問えないのですか?

不法侵入(住居侵入罪)は、悪意の有無に関わらず成立する犯罪のため、罪に問うことが可能です。

刑法第130条では「正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入」することを禁じています。

つまり侵入する行為そのものが故意であれば、悪意がなくても犯罪となります。

ただし「間違って入ってしまった」程度の具体的な被害がないケースでは、警察が積極的に介入してくれない可能性が高いです。

一方で継続的な侵入や明確な被害があるケースでは、適切な証拠を収集できれば法的措置を下せる可能性があります。

もし不法侵入されたらまず何をすべきですか?警察に通報すべき?

もし不法侵入を発見したら、以下の順序で対応するとよいでしょう。

  1. 安全の確保:まず自分と家族の安全を最優先に考え、無理に対面せず安全な場所に避難する
  2. 証拠の保存:安全な状況で可能なら、侵入の痕跡を写真に撮るなど証拠を保存する
  3. 警察への通報:現行犯の場合や明確な被害がある場合は、すぐに110番通報する

不法侵入の目的によっては、あなたや家族に危害が及ぶ可能性があります。

必ず安全を確保してから警察に通報しましょう。

不法侵入で警察が動かないことのまとめ

不法侵入は犯罪行為ですが、証拠不足や事件性の低さから、警察が積極的に動かないケースが多いのが現実です。

しかし、不法侵入を放置することで、より重大な犯罪に発展するかもしれません。

証拠を集めて専門家に相談することで、不法侵入の問題を解決できる可能性があります。

不法侵入にお悩みの方は、一人で抱え込まずに専門機関へ相談しましょう。

当社「日本総合調査事務所」では、24時間いつでも無料相談を受け付けております。

匿名でのLINE・メール相談も可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

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