愉快犯とは?嫌がらせの手口や犯人の心理・事件の実例・対処法まとめ

この記事では、愉快犯の定義や手口・犯人の心理、実際に起こった事件の実例を紹介します。

そして、あなたが愉快犯のターゲットにされてしまった場合の対処法を見ていきましょう。

すでに愉快犯から嫌がらせ行為を受けている場合は、「愉快犯による嫌がらせ・誹謗中傷の対処法」まで飛ばしてお読みください。

愉快犯とは何かを詳しく知りたい人は、このまま下にスクロールしてお読みください。

愉快犯とは「遊び感覚で人を恐怖にさらして快感を得る犯罪や、その犯人」のこと

愉快犯は、金銭的な利益や明確な恨みを目的とせず、ただ他人を困らせたり恐怖に陥れたりして快感や満足感を得ようとする犯罪者です。

「愉快」という言葉が使われていますが、被害者にとっては決して愉快なものではありません

むしろ、理由がわからないからこそ恐怖や不安が増大し、精神的な苦痛を受ける悪質な犯罪行為です。

以下では、愉快犯の手口や心理を解説していきます。

愉快犯の手口の例|匿名での誹謗中傷・犯行予告、公共物への落書きなど

愉快犯の手口は時代とともに変化しています。

現代ではとくにインターネットを悪用した手口が多いです。

匿名性を利用できるSNSなどのインターネット環境は、愉快犯にとって格好の活動場所となっています。

以下に、インターネットと現実世界での手口の例をまとめました。

分類具体的な手口
インターネットを利用した手口・SNSや掲示板での匿名による誹謗中傷や嫌がらせ
・偽の情報を流して社会を混乱させる行為
・爆破予告や殺害予告などの犯行予告
・個人情報の無断公開や晒し行為
・なりすましアカウントによる悪評の垂れ流し
現実世界での手口・公共物や他人の財産への落書きや破壊行為
・無言電話や迷惑電話の繰り返し
・郵便物への細工や不審物の送付
・つきまといや待ち伏せなどのストーカー行為
・騒音やにおいなどによる近隣への迷惑行為

これらの手口の共通点は、相手を直接的に傷つけることよりも、心理的な恐怖や不安を与えることを目的としている点です。

しかし、被害者にとっては深刻な問題で、ストレスから日常生活に大きな支障をきたす場合があります。

愉快犯の犯人の心理|ストレスや孤立感の解消・妬み

一見理解しがたい愉快犯の行動の裏には、犯人特有の心理状態や動機が隠れています。

愉快犯が犯行に及ぶ、主な心理的動機は次のとおりです。

  • ストレス発散と優越感の獲得:現実世界で抱えているストレスや不満を他人を困らせることで発散し、一時的な優越感や支配感を味わおうとする
  • 社会への注目欲求と承認欲求:日常生活で十分な注目や承認を得られない人が、社会を騒がせることで自分の存在を誇示しようとする
  • 孤立感と疎外感の解消:社会から取り残されているような孤立感を抱いている人が、他人に迷惑をかけることで「自分も社会に影響を与えている」という実感を得ようとする
  • 嫉妬と妬み:他人の幸福や成功に対する嫉妬心から、その人を不幸にしようと考える。特にSNSなどで他人の充実した生活を目にすることで妬みの感情が強くなる
  • 反社会的な性格傾向:もともと他人への共感能力が低く、他人の痛みや苦しみを理解できない、または楽しんでしまう性格傾向を持つ

心理的背景を踏まえると、犯人のタイプに応じて対応を変えるのがポイントです。

注目欲求が強い犯人には反応を見せず、孤立感を動機とする犯人には周囲のサポート体制を築きましょう。

ストレス発散が目的の犯人には毅然とした態度で法的措置を示せば、犯行の継続を防げる可能性があります。

愉快犯事件の実例

愉快犯による事件は日本だけでなく世界中で発生しており、その手口や動機は時代とともに変化しています。

過去の事件を知れば、愉快犯の行動パターンやリスクを理解できるでしょう。

黒子のバスケ脅迫事件

2012年から2013年にかけて発生した「黒子のバスケ脅迫事件」は、現代の愉快犯事件を代表する事例です。

人気漫画「黒子のバスケ」の作者や出版社、関連施設に対して大量の脅迫状が送られました。

また、お店に並んだ「黒子のバスケ」関連のお菓子に毒物を混入した、という虚偽の脅迫で世間を混乱に陥れています。

犯人は自分の人生への不満や作品への嫉妬心から犯行に及んだとされています。

この事件の特徴は以下のとおりです。

  • 特定の作品や作者への一方的な恨みが動機だった
  • メディアで大きく報道されることを狙った、まさに「愉快犯的」な側面があった
  • 匿名性を利用して長期間にわたる嫌がらせを続けていた

最終的に犯人は逮捕され、懲役4年6月の実刑判決を受けました。

この事件により、愉快犯による脅迫の深刻さが社会に広く認識されることとなっています。

グリコ・森永事件

1984年から1985年にかけて発生した「グリコ・森永事件」は、日本の愉快犯事件の中でも有名な未解決事件のひとつです。

江崎グリコの社長誘拐事件から始まり、森永製菓をはじめとする複数の食品会社に対して脅迫や商品への毒物混入予告が行われました。

犯人グループは「かい人21面相」と名乗り、メディアを巧みに利用して社会を恐怖に陥れます。

しかし金銭を要求する一幕もあったものの、最終的に直接的な金銭被害は出ていません(※)。

※毒物混入予告などの影響により、各社は億単位の損害を被っています。

最後には「くいもんの 会社 いびるの もお やめや」というメッセージを残し、未解決のまま終結に至っています。

2000年には時効が成立してしまったことから、40年経った2025年現在も本事件は未解決のままです。

愉快犯が社会に与える影響の大きさを示す典型例として、犯罪学の研究でも注目されています。

参考:NHK「未解決事件 グリコ・森永事件」

ゾディアック事件

アメリカで1960年代後半から1970年代前半にかけて発生した「ゾディアック事件」は、海外の愉快犯事件の代表例です。

犯人は少なくとも5名もの殺人を犯しながら、新聞社やテレビ局に暗号めいた犯行声明文を送り続けました。

犯行声明文に「私はゾディアックだ」との一節が何度も登場したことから、本事件は「ゾディアック事件」として知られています。

この事件も、以下のような愉快犯的要素がある点に注目です。

  • 殺人という重大犯罪を犯しながらも、メディアへの露出を強く求める行動を取る
  • 暗号や記号を使った挑発的なメッセージを送る
  • 警察や社会に対して挑戦的な態度を見せる
  • 殺人を「ゲーム」のように楽しむ異常な心理が見られる

まさに、愉快犯が重大犯罪にエスカレートする危険性を示す事例といえます。

そして、本事件もいまだ犯人が特定されておらず、未解決事件として捜査が続けられています。

愉快犯による嫌がらせ・誹謗中傷の対処法

愉快犯による被害を受けた場合、被害の拡大を防ぐためにはスピーディーな対処が必要です。

証拠の有無や犯人の特定状況によって、相談すべき機関が変わってくるため、まず現在の状況を整理しましょう。

以下で詳しく解説します。

証拠も犯人の情報もはっきりしているなら「警察」に相談

犯人が特定できており、明確な証拠もある場合は、まず警察に相談してください。

愉快犯による行為の多くは「脅迫罪」「名誉毀損罪」「ストーカー規制法違反」など法に触れる犯罪行為です。

そのため、ある程度の証拠があれば警察による捜査や逮捕ができます。

警察に相談する際には以下の準備をしましょう。

  • 被害を示す具体的な証拠(メッセージ、写真、録音データなど)
  • 犯人の身元情報(氏名、住所、連絡先など)
  • 被害の詳細な記録(日時、場所、内容など)
  • 目撃者がいる場合はその証言

被害届の受理から捜査、逮捕まで一連の手続きに対応してくれます。

ただし、証拠が不十分な場合や被害が軽微と判断される場合は、積極的な捜査が行われないことも。

できるだけ詳細な証拠を集めてから相談しましょう。

証拠が足りないなら「探偵」に依頼して証拠集めをするのがポイントです。

証拠はあるが、相手が分からないなら「弁護士」に相談

匿名での嫌がらせで犯人が特定できない場合は、弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士は法的な手続きを通じて、プロバイダーやSNS運営会社に対して発信者情報の開示請求ができます。

開示請求により、匿名で活動している愉快犯の正体を明らかにすることが可能です。

一定の費用がかかりますが、匿名での誹謗中傷や嫌がらせに対してはもっとも効果的な対処法といえるでしょう。

証拠も相手の情報も不明だが、被害を受けているなら「探偵」に相談

証拠収集から犯人特定まで、すべてが不明な状況では探偵への相談が有効です。

探偵は専門的な調査技術を使って、個人では入手が困難な証拠や情報を合法的に収集できます。

主な探偵の調査内容を以下にまとめました。

  • 愉快犯の行動パターン調査と証拠収集
  • 匿名での嫌がらせや誹謗中傷の発信者特定
  • 現実世界での嫌がらせの実行犯調査
  • 被害の全容把握と犯行手口の調査

探偵による調査結果は、その後の警察への相談や弁護士への依頼でも活用できます。

愉快犯は巧妙に証拠隠滅を図る場合が多いため、専門的な調査技術を持つ探偵の力を借りて確実な証拠を集めましょう。

愉快犯はイタズラでは済まない|被害がエスカレートする前に「日本総合調査事務所」へ相談を

「単なるいたずらだから」「そのうち止むだろう」と軽く考えていると、愉快犯による被害は徐々にエスカレートし、取り返しのつかない事態に発展するかもしれません。

愉快犯の多くは最初は軽微な嫌がらせから始めますが、被害者の反応を見ながら行為を段階的にエスカレートさせていきます。

また、一人の愉快犯が複数の被害者を標的にする場合も多く、被害の拡大を防ぐためには早期の対処が必要です。

当社「日本総合調査事務所」では、愉快犯による嫌がらせ事件を解決してきた実績があります。

匿名での誹謗中傷から現実世界での嫌がらせまで、愉快犯の手口を熟知した専門調査員が対応。

最新のデジタル・フォレンジック技術と従来の調査手法を組み合わせることで、隠された証拠も見逃しません

愉快犯による被害は時間が経つほど深刻化し、解決が困難になります。
「おかしいな」と感じたら、一人で悩まずに専門家にご相談ください。

相談は完全無料で、LINE・メール・電話にて24時間受け付けております。

匿名でのご相談も可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

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※探偵業法にもとづき、違法性のある調査や犯罪への加担はお断りさせていただきますので、あらかじめご了承ください。

愉快犯についてのまとめ

愉快犯は金銭目的ではなく、他人を困らせたり恐怖におとしめたりことで快感を得る犯罪者のこと。

インターネットの普及により手口は多様化し、匿名性を悪用した卑劣な犯行が増加しています。

もし被害を受けた場合の対処法は状況により異なります。

  • 証拠も犯人の情報もはっきりしているなら「警察」
  • 証拠はあるが、相手が分からないなら「弁護士」
  • 証拠も相手の情報も不明だが、被害を受けているなら「探偵」

愉快犯による被害は「いたずら」では済まされない犯罪です。

被害がエスカレートする前に、専門機関に相談して早期解決を図りましょう。

当社「日本総合調査事務所」では、愉快犯による被害の証拠収集や法的対応まで徹底サポートします。

無料相談が可能ですので、LINEやメールなどお好きな方法でお問い合わせください。

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